恋人からの性暴力のトラウマをなくしたい
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にじいろ
性教育講師/思春期保健相談士
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怖かった経験を打ち明けてくれてありがとうございます。
たとえ恋人であっても、同意なく、抵抗しても触られたことのショックは大きいですよね。
男性が怖い、と感じるのも自然な反応です。
もちろん、あなたは何も悪くありません。心の傷を癒すために、誰かに話すことは大切なことです。
でもそれは、時にリスクを伴います。
親しい人であっても、悪気なくあなたを傷つける言葉が返ってくる可能性もあります。
ですので、専門家に話すという方法もオススメです。
たとえば、全国の性暴力ワンストップ支援センターでは無料で相談することができますし、必要に応じてカウンセリング等につないでもらうこともできます。とはいえ、それもエネルギーのいることかもしれません。
無理しなくてもいいんです。
いつ、どこで、だれに話すか、話さないかはあなたが決めていいのです。
話せそうな時がきたら、少しずつ話してみてください。
少しずつ向き合っていくことで、心も少しずつ落ち着いてくることでしょう。また、性暴力のトラウマに関する本や講座などで学ぶことも役に立つかもしれません。
それに、ここに気持ちを書き残してくれた時点で、あなたは回復への道を歩み始めていると思います。
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染矢 明日香
セイシルアドバイザー/NPO法人ピルコン理事長
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別れ話をした後で、同意なく体を触られてショックだったのですね。
あなたがそう思うのも、もっともなことです。
あなたの信頼を裏切った相手の行動が間違っているのであって、あなたは悪くありません。自分の体に、いつ、どこで、誰がどのように触れるかは、あなた自身が決めていいことです。
特に性にかかわる親密なコミュニケーションは、お互いを尊重しあい、同意の確認を重ねることで、安らぎや心地よさにつながります。けれど性暴力では、この本来あなたが決めていいことを勝手に侵害され、意志や感情がないもののように扱われるため、安心・安全の境界線が混乱し、強い恐怖や傷つきを引き起こします。
あまりに怖い経験をした時、その記憶を整理するのが難しく、勝手に思い出されることや、怖かった状況を思い起こす場面を避けようとすることがあります。
これは自分を守るための自然な反応でもあるのですが、時に心身に様々な不調が出て、日常生活にも影響が及ぶこともあります。過去の出来事が勝手に思い出されてしまう時は、「今、ここは安全」と意識を向けることが有効です。
深呼吸などのリラックス法も身につけておくとより安心でしょう。そして、どのようにトラウマから回復するかは人それぞれの道があります。
カウンセリングや、安心できる場で身近な人と話すこと、また本などから学び自分の中で整理していくことが回復につながったという人もいます。
焦らず、できそうなことから始めてみましょう。
もしも、他の人から「気にしすぎ」「大したことない」などと言われたとしたら、それは性暴力の無理解からくる言葉です。
あなたは悪くないということは、繰り返しお伝えしたいです。夜眠れない、死にたい気持ちになる、日中もイライラして集中力が続かないなどの支障がある、身近で話せる人が見つからないという場合は、性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(全国共通#8891)への相談も考えてみてください。
様々な支援やケアの選択肢があり、あなたにあったものを一緒に考える手助けを得られます。
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モヤパン
性のモヤモヤから生まれた妖精
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性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどの性暴力・性被害の相談窓口を紹介します。
(一人で悩まず、近くにいる信頼できる大人か、相談窓口に相談してね。)https://seicil.com/sodan#seihigai