0
大学生男です。セックスが怖いです。自分には“ED”の疑惑があります。
童貞を捨てたのは去年の冬頃で、ちょうど一年経ったくらいです。
この一年間少し遊んだ時期もありまして、経験人数は10人程度なのですが、ちょうど半分の5人目の女性の時に、お酒が入っていたというのもあるのですが、アレが勃たず、結局その日はセックスをせずに終了しました。
その人を境に、勃ちが悪くなったように感じています。その後セックスをした人達も今思い返してみれば、完全に勃起はしていなかったように思います。
本題はここからです。自分には今付き合って一ヶ月になる彼女がいて、この間初めてセックスをしたのですが、勃ちませんでした。彼女のことは大好きで、性欲もあり、行為の最初の方は勃っていたのですが、前戯をしている間に萎んでしまい、挿れることはありませんでした。 これまでの自分は「好きでもない人のセックスだから、勃ちが悪かったんだ」と自分に言い聞かせていたので、この結果はとてもショックでした。 その後、自分は次の行為までには改善しようと、ネットで検索し、EDに効果的と言われていることをいくつもためしました。
しかし、先日彼女と行為を行った際も、中途半端な結果に終わってしまいました。
私はまだ20代前半ですし、加齢によるEDではなく、心因性EDというものだと思われるのですが、治し方がわかりません。この先もEDに効くというトレーニングを継続すればこの悩みはなくなるのでしょうか。
-
今井 伸泌尿器科医／聖隷浜松病院リプロダクションセンター センター長 -
あなたのED疑惑ですが、心因性EDとも言えますし、そうでもないとも言えます。
あなたの中に、「セックスに関するポリシー」が定まっていないことが一番の問題のように思います。「遊びのセックス」と「本命のセックス」との区別がついていないこと、「セックスに対する心構え」ができていないことが問題なのです。だけど、あなた自身の「セックスに関するポリシー」ができれば、「セックスをするべき相手」がわかり、EDの治療をしなくても思い通りに射精ができるようになるのではないかというのが僕の考えです。本来ヒトのセックスは、本当に好きなヒトと行われるべき行為であるということに異論を挟まれる方はあまりいないと思います。しかし、性欲旺盛な若いうちは、衝動的に、場当たり的にセックスをしてしまうヒトが少なくありません。
でもよく考えてください。セックスという行為は、相手に身も心もさらけ出してしまう行為でもあります。最も無防備な時であり、殺し屋に狙われるやすいのもセックスの時です（たぶん）。したがって、安心して裸になれる相手でないとセックスはできないし、少なくとも「本命のセックス」の相手選びにはかなり慎重になるべきとは思いませんか？ナンパしたり適当に遊んだりしてるヒトもいるじゃないか、と思われるかもしれません。「遊びのセックス」を楽しんでいる人は、ある程度ポリシーを持って相手を探し、相手と同意の上で楽しい時間を過ごしているはずです。相手や目的を吟味せず、「遊びのセックス」を繰り返していると、思うようにセックスできない相手が出てくる。
それもそのはず。男性がセックスをやり遂げる（挿入して射精する）ことは、実はそんなに簡単なことではないからです。すなわち、相手に対し十分な性的魅力を感じ、こころにゆとりのある状態でセックスを開始し、セックスに集中して、射精することを熱望しなければやり遂げることはできないのです。少しでも不安要素があれば、簡単に途中でペニスは萎えてしまいます（これを心因性EDと言います）。失敗することでセックスに傷つき、消耗していくだけなのであれば「遊びのセックス」はやめたほうがいいのです。ところで、あなたは付き合って1ヶ月になる彼女ともう何回もセックスをしています。付き合うまでの経緯はわからないけど、これは早すぎるのではないでしょうか。僕が提唱する「射精道（思春期編）」に、「セックスは心技体が伴うまで行うべからず」という条文があります。「本命のセックス」をしようと思うなら、それなりの心の準備が必要だと思います。
そこで僕からの提案ですが、「セカンド童貞」になることをおすすめします。セックスを断って、オナニー生活に入るのです。もちろん、ただオナニーするだけではだめです。おかずはエロ本まで。ハングリー精神を養うために動画は避けましょう。VRなんてもってのほかです。純粋にどういうエロが好きなのか、性の好みを再確認してください。
どういう相手と恋愛をして、どういうセックスをするのか。射精をするところまでしっかりシミュレーションしてください。そのためなら、いくらオナニーしてもかまいません。そうすることで、きっと自分自身の「セックスに関するポリシー」が見えてくるはずです。
-
宋美玄丸の内の森レディースクリニック／産婦人科医
-
ご相談ありがとうございます。勃起が思うようにいかないことを気にされていて、相手が大好きな彼女でもうまくいかなかったので悩んでおられるのですね。勃起は、プレッシャーがあると、うまく起こりにくくなったり、途中で萎えてしまいやすくなったりするものです。実は、それほど好きでもないセックスパートナーよりも、大好きで大切に思っていてこれからもいい関係でいたいパートナーとセックスする方が逆に勃起できなかったという話はあるあるです。
うまく勃起するために色々な方法を試されたとのことですが、「ノンエレクト法」は試してみられましたでしょうか。一言で言うと、「勃っちゃいけないゲーム」のようなものです。
「勃たせなければ」というプレッシャーをなくすために、逆に2人の間で「今日は勃ってはいけない」というルールを作ります。そして仲良くスキンシップを行ったり、パートナーに体や性器を愛撫してもらいます。勃たなくてもOK、それで勃つようになってももちろんOKという、ノンプレッシャー下で愛し合う方法です。一度試してみてください。また、あなたが勃起について悩んでいることでひとつ心配なのが彼女の気持ちです。うまくいかなかった後のあなたの態度によっては、ひょっとすると彼女は「私に魅力がないから彼は勃起しないのかしら」と自分に責任を感じているかもしれません。
彼女の前で強いところを見せて、1人でスマートに解決しようとする気持ちがわくかもしれませんが、すごく好きで性的な魅力も感じているのだけど、なぜが勃起がうまくいかないことを打ち明けて力になってもらえるといいと思います。ウジウジしたり強がったりはパートナーシップに溝ができ兼ねません。ぜひ正直に話してみてください。
もしも、いろいろ試してもうまくいかないようなら専門医を受診してみてくださいね。日本性科学学会ではセックス・セラピストやセックス・カウンセラーを認定していたり、日本性機能学会認定専門医などにも相談することができます。
