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柴田 綾子
産婦人科医/淀川キリスト教病院 産婦人科所属
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オナニー(マスターベーションやセルフプレジャーやとも呼ばれる)は、性的快感を得るために自分で性器を刺激することをいいます。
オナニーでは自分の手、指、または物(セックストイ、18歳以上の人向け)などを使用しておこなうことが多いです。オナニーは性器(プライベートパーツ)を触る行為なので、人前で行うものではありませんが、悪いことではありません。
性欲は性別にかかわらず多くの人にあるもので、オナニーをすることは変なことでも恥ずかしいことではありません。
オナニーは無理に行うものでも、制限するものでもありません。
おこなう回数が多すぎるから/少ないからダメということもなく、したくない人に無理にさせる必要もありません。オナニーをするときの注意点は2つあります。
1.清潔にすること
性器をさわる前に手やセックストイはきれいにしましょう。爪は短くきったほうがよいです。
セックストイを他の人とは共有しないようにしましょう。
生理中のオナニーは、ばい菌が入りやすいので特に注意が必要です。2.強く刺激しすぎないこと
男性は床や机の角など硬いところでオナニーをすると、強い刺激でしか立たなくなってしまい勃起障害になることがあります。
女性は、デリケートゾーンの皮膚や腟の粘膜が弱く、強くこすると炎症による痛みなどが起こりやすいので注意しましょう。
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星野貴泰
看護師/思春期保健相談士
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オナニーじゃなく、マスターベーションという言葉を知っていますか?
マスターベーションとは、「性器などを自分で触れて気持ちよくなる行為」のことです。
これを「オナニー」「自慰」「セルフプレジャー」などと呼ぶこともあります。世の中ではマスターベーションを「いやらしいもの」や「恥ずかしいこと」と考える人が多いですが、そんなことありません。
英語ではマスターベーションを直接的に表現せず、「HAPPY TIME」と呼ぶこともあります (映画『トランスフォーマー』でこの表現が使われていました)。
マスターベーションをすることは自然なことで、「いけないことをしてしまった」と考える必要はありません。
大人も経験することですし、性別に関係なく、多くの人が自然に行う行為です。お伝えしたいのは「下ネタ」かどうかということです。「下ネタ」というと、下品な印象を持つ人が多いですよね。
マスターベーションについて下品なイメージを持たれることが、「いやらしいもの」や「恥ずかしいこと」という偏見につながるのかもしれません。
私が高校生の時、性教育の講演会で男性医師が「オナニーは何回やっても体に悪いことはありません。私は中学生の時から皆勤賞です」と話して、聞いていた生徒たちは大笑いしました。
あれを今振り返ると、あの場で嫌な気持ちになった生徒もいただろうと感じます。
一見オープンに語っているようでも、笑いをとるためのネタとして扱われていた部分もあり、決して全員が安心できる空間ではなかった気がします。
「オナニーってなんですか?」と質問してくれたあなたに伝えたいのは、オナニーは自分の体について知る大切なことだという点です。
それを覚えておいてください。
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本井はる
TENGA広報
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オナニーは、自分で自分の性的な快感を満たす(自分を気持ちよくする)ことです。
「自分を喜ばせる」という意味合いで「セルフプレジャー」という言葉が使われることもありますね。触ると気持ち良かったり、ゾクゾクしたりする体の部位はありますか?
それを性感帯と呼びます。男性器(ペニス、ちんちん)や女性器(クリトリス、まんこ)、乳首の人が多いです。
性感帯を手やアイテムを使って優しく刺激すると、気持ちよさを感じることがあります。ちなみに「下ネタ」の意味を辞書で調べてみると「笑いを誘う排泄・性的な話題のこと」でした。
それで言うと、私はオナニーは下ネタではないなと思います。
だって、自分で自分を気持ちよくできるなんて、めちゃくちゃ良いことだと思うんです。
自分に美味しいご飯を食べさせてあげたり、自分にマッサージをプレゼントしたり、そういう行動と並ぶ、大事にしたいことの一つと考えています。先生がおっしゃる通り、注意点を守ってすることは重要です。
そのうえで、オナニーの時間は、誰かに笑われることのない、自分だけの特別な時間だと思いますよ。もしオナニーをする機会があったら、ぜひ後ろめたさや恥ずかしさを感じずに、楽しんでほしいな!