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今井 伸泌尿器科医/聖隷浜松病院 生殖・機能医学科部長
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結論から言うと、セックスをしなくても子を作る方法はあります。
まず、人間の場合、子がどうやって生まれてくるのか解説しましょう。
最初に、男性の精子と女性の卵子が受精して「胚(はい)」になります。
この胚が、女性の子宮内膜にくっつく(着床といいます)と妊娠が成立します。
この着床した日を2週と数え、順調にいけば37~41週で子が生まれてきます。セックスをして子を作ろうとする場合、女性の排卵の時期に合わせてセックスをします。
男性が腟内で射精すると、出てきた精子が子宮、卵管を通って卵巣の近くまで移動していき、そこで卵子と上手く巡り会えた精子が受精する(「胚」ができる)ことになります。一方、セックスをしないで子を作ろうとする場合、大きく分けて3つの方法があります。
1つめが人工授精。
排卵の時期に医療機関で専用の注射器を使って精液を子宮内に注入する方法です。
精液を腟内に注入するシリンジ法は、自宅でもできます。
そこから先はセックスをしたときと同じで、精子が卵子と出会うことを期待します。2つめが体外受精。
卵巣から卵子を取り出して容器の中に入れ、精液を振りかける方法です。
つまり、精子と卵子の出会いの場を提供するのです。
こうして容器の中で受精した「胚」を子宮内に入れます(胚移植)。3つめが顕微授精。
精子と卵子をそれぞれ採取し、1個の精子を1個の卵子の中に細い針で注入して受精させます。
こうしてできた「胚」を、体外受精と同じように子宮内に移植します。実は、現在の日本では、約10〜11%が体外受精か顕微授精で生まれてきた子どもです。
言いかえると、約1割の子はセックスをしないで生まれてきた子ということになります。子ができるのに必要なのは、①胚ができること、②胚が子宮に着床すること、であり、セックスはやがて子になる胚を作るための方法の一つではあるけれど、必ず必要ではないということです。
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坂上明子武蔵野大学 看護学部 教授
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“セックス(性交)”をせずに妊娠できる方法はないか?と考えるカップルは少なからずいらっしゃるようです。
例えば、仕事などの忙しさで、妊娠しやすいタイミングで性交をすることが難しかったり、性交痛や勃起障害などによりパートナーとの性交が難しかったり、価値観の違いなどによるセックスレスのカップルであっても、子どもを望んでいるケースがあります。性交をしないと、妊娠しないというわけではありません。
医学の発達によって、性交をせずに、妊娠する方法として不妊治療/生殖補助医療という方法もあります。
例えば、人工授精(男性の精子を直接子宮に注入する方法)や、体外受精(卵子と精子を身体の外で受精させて、受精卵を子宮に戻す方法)、顕微授精(体外受精の一種で、顕微鏡を使用して、精子を卵子に直接注入し、受精卵を子宮に戻す方法)などがあります。
ただし、これらの方法は、自然な性交ではなかなか妊娠しない「不妊症」のカップルに対して病院で行われる治療です。一方、シリンジ法(針のない注射器のような器具の中に、マスターベーションで採取した精液を入れ、膣内に注入する方法)は、通院は不要で自宅で行うことができます。
専用のシリンジは医療器具メーカーの公式オンラインショップやドラッグストアなどで購入することが可能です。
ただし、感染予防のため手洗いをしっかり行い、器具を清潔に準備したり、妊娠しやすい時期を予測して行ったりするなど、正しい手順を守る必要があります。
また、1回での妊娠率はそれほど高くありませんし、何かしらの不妊の原因がある場合はこの方法では妊娠できません。将来、どのような方法で子どもをもつかは、人によって違ってよいと思います。
いずれにしても、カップルでよく相談し、必要に応じて産科の医師などの専門家に相談をし、自分たちカップルにあった方法を選択できると良いですね。

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