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高橋怜奈
産婦人科専門医、医学博士、性教育認定講師、YouTuber
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帝王切開は、お腹の赤ちゃんやお母さんに、そのままの経過だと命の危険があると考えられる時に行う出産の方法です。
だからあなたもお母さんも、とても大きな危機を一緒に乗り越えたのです。
もしあなたがお母さんといま話をすることができるなら、生まれた時のこと、そしてその時の気持ちを聞いてみたらどうでしょうか。
きっと帝王切開で生んでしまってかわいそうとは思っていないでしょう。
むしろ帝王切開だから無事にあなたが生まれてきてくれたのですから。実は私も約2年前に、帝王切開で子供を出産しました。私のお腹には双子がいて、最初は経腟分娩で出産する予定でした。
予定日の少し前に陣痛をつける薬を使用して陣痛がきたのですが、赤ちゃん達はなかなか生まれてきませんでした。
そのままだと赤ちゃん達の具合が悪くなってしまうかもしれないと判断され、帝王切開になりました。『安産』ってよく聞くかもしれませんが、医学的にはない言葉です。
世間的には、経腟分娩で数時間のうちに生まれることを言うのかもしれません。
私が入院していた病院の助産師さん(私が以前勤務していた病院の後輩です)にハッとする言葉を言われました。
『先生、安全なお産が安産なんですよ』と。どんなお産でも、あなたがその時に安全に誕生し、いまここで自分の誕生について考えている事がとても尊いことです。
ただ、おばあちゃんの時代の頃は今よりも分かっていない事も多く、情報も少なく、帝王切開はかわいそうという風潮があったのかもしれません。
子供ができないのは全て女性のせい、と言われていた時代もありました。
おばあちゃんが今の時代に生きていれば、そのような事は言わなかったかもしれません。
その時のおばあちゃんに『そんなことないよ、幸せだよ』と笑って返せるような幸せが、これからもあなたに沢山ありますように。
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みきてぃ
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自分が生まれた時のことを振り返るのは大事なことですね。
帝王切開での出産は、普通の出産以上にお母さんにも赤ちゃんにもリスクがあります。
お母さんのお腹の傷は、出産の時にお母さんと赤ちゃんが頑張った証です。お腹の中で赤ちゃんが逆子だったり、赤ちゃんが双子だったり、上の兄弟が帝王切開で生まれたり、お母さんのお腹の中にある胎盤といって赤ちゃんに栄養を送る臓器の位置に異常があったり、様々な理由で帝王切開を行うことがあります。
帝王切開であっても普通の出産であっても、お母さんや家族みんながあなたの誕生を楽しみにしていたことと思います。
自分の生まれたときのことを、お母さんに尋ねてみても良いかもしれませんね。
お腹に赤ちゃんがいると分かったときから約9ヶ月、お母さんはあなたをお腹の中で元気に育つよう守り育んできたのではないでしょうか。きっと自分の知らなかったことが発見出来ると思います。
1件のコメントがあります
私も帝王切開で生まれました。
2025.03.01 22:11母に帝王切開について聞いてみたことがありますが、帝王切開も経膣出産もそれぞれ違った大変さがあるって言ってました。
まず、帝王切開をする場合でも陣痛を経験する人もいますし、帝王切開後も術後の痛みがきついそうです。
私は安全のために帝王切開で生まれてきました。それを可哀想だとか惨めだとか思ったことないです。どう生まれたなんて覚えてないし知らんこっちゃないです笑
今、どう生きるかが大切ではないでしょうか