低用量ピルについて詳しく知りたい!

ピルを飲み続けていると妊娠しにくくなるって本当ですか? 低用量ピルを服用しているのですが、ピルに関しての不安を解消してくれる情報が知りたいです。
  • 島袋朋乃
    島袋朋乃

    産婦人科医

  • 低用量ピルは月経困難症や月経前症候群(PMS)、月経不順などに対して処方するお薬です。生理のトラブルを抱える中学生、高校生にもしばしば処方されますが、「ピルを飲み続けていると妊娠しにくくなる」というのは根拠の全くないウソです。むしろ生理痛が重い人では、治療を行わずに我慢を続けると子宮内膜症という病気を発症し、不妊症になってしまうことがあります。

    ピル内服のメリットは数多く、生理痛やPMSを和らげ、生理周期を整え、生理の出血量が多い人では、出血の量を減らせるかもしれません。5年以上ピルを内服すると、将来子宮体がんや卵巣がんになりにくくなることもわかっています。適切に内服することで避妊の効果も得られますが、「ピル=避妊」だけではないことはぜひ知っておきましょう。もちろん避妊目的での内服も全く問題ありません。

    最近では生理の回数を減らせるピルも出てきていて、主に生理痛がつらい人に処方されるようになりました。

    注意点として、ピルには「血栓症」という副作用があります。血栓症は血管の中に血の塊ができて脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症などを引き起こすもので、ピルを内服している女性では1年間で1万人あたり3~9人(0.03~0.09%)血栓症を発症します。ただし、ピルを内服していない女性でも1年間で1万人あたり1~5人(0.01~0.05%)は血栓症を発症します。ピルを内服することで血栓症のリスクは確かに高まりますが、医師と相談の上メリットとデメリットを比較して服用するかどうか決めましょう。

    また、ピルの副作用が心配な方、生活習慣(喫煙、肥満など)や既往歴(前兆を伴う偏頭痛、心疾患など)からピルの処方が受けられない方には、より安全性の高いホルモン治療や漢方薬なども選択肢となります。生理関連の症状に困っている方や、生理を生活に併せてコントロールしたい方は、ぜひお気軽に婦人科で相談してみてくださいね。

  • 福田眞央
    福田眞央

    TENGAヘルスケア教育事業部/保健体育教員/思春期保健相談士

  • 低用量ピルには、副作用として飲み始めに吐き気や不正出血が現れる可能性や、血栓症のリスクが上がることなどがありますが、「妊娠がしづらくなる」という副作用はありません!

    日本では服用している人が少ないので、不安になるかもしれません。でも海外の多くの国では、避妊の手段として、コンドームよりも低用量ピルの方が多くの人に使用されているくらい、低用量ピルは広く使われているものです。

    オススメポイントは…
    ①避妊率がコンドームよりも高い
    ②女性の意志で避妊できる
    ③月経不順を整える
    ④生理痛・月経前症候群(PMS)を和らげる
    ⑤生理の出血量を減らすことができる

    生理トラブルの改善効果や副作用には個人差がありますが、産婦人科医の先生とも相談して、私の場合は上記のようなメリットのほうが、はるかに多かったことから、大学生の頃から低用量ピルを服用しています。

    実際、飲み始めは少し気持ち悪いなぁと感じることもありましたが、そう感じたのは初めの2ヵ月だけでした。そして、今でも服用を続けていて、妊活を始めようと思うまで服用し続けるつもりです。

    今後も不安になるような情報が出てきたら、低用量ピルを処方してくれる機関や医師に相談できると安心だと思います。

    あなたが安心して自信を持って選択したことで、快適な人生が送れますように!

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